お世話になります!校條友紀子です。
あなたのマンションの会計は発生主義と現金主義がごちゃ混ぜになっていませんか?
分譲マンションの会計は、一般的に複式簿記による発生主義で処理します。
なぜごっちゃになってしまうマンションが多いのか?ですが・・・
そもそも「発生主義とか現金主義ってなに?」って話ですよね!
例えば、損害保険を300万円/5年で契約したとします。
1年の損害保険料として60万円を計上し、
240万円は前払金として処理するのが発生主義、
300万円全額を1年の費用として処理してしまうのが現金主義です。
ごっちゃになってしまう原因の一つは通帳の動きだけで考えているからです。
現金主義は、子供のお小遣い帳をイメージするとわかりやすいでしょう。
マンション管理組合の収支は
発生主義と現金主義が混在していたら正確な会計ができません。
なぜなら未収金や前払金などが発生し、
現金主義では当期の資産が正確に把握できないのです。
【ケース1】
5年間の保険を契約した場合。
5年分まとめてその期に支払ったとしても、1年分だけを保険料の支出とします。
そして残りの4年分は前払金として処理し、管理組合の資産として計上します。
(保険会社に資産を預けてあるという考え方)
【ケース2】
ある区分所有者が滞納したまま期を迎えてしまった場合。
事実が発生しているので未収金として処理し、
管理組合の資産として計上します。
【ケース3】
ある区分所有者が予定より早い時期に管理費を納入した場合。
お金は受け取って通帳残高は増えますが、
今期の収入ではないので前受金とし、管理組合の負債として計上します。
【ケース4】
工事は終了したけれど、支払いをする前に決算日を迎えてしまった場合。
3月決算の管理組合が3月10日に、 修繕工事(100万円)を実施したが、
支払は翌月末払いのケース。
これは今期に発生した工事として処理をします。
工事代金100万円は4月末の支払いなので、
未払金として処理し 管理組合の負債として計上します。
【ケース5】
定期的な保守点検や植栽選定は終了したけれど、
支払いをする前に、決算日を迎えてしまった場合。
3月決算の管理組合が、3月8日に貯水槽清掃点検(13万円)と
3月15日に植栽剪定(35万円)を実施したが、
支払いは貯水槽清掃業者には5月末払い、造園業者には4月末払いのケース。
これもケース4と同様に今期に発生した費用として処理をします。
代金48万円は来期の支払いなので、未払金として処理し 管理組合の負債として計上します。
このようにマンション管理組合では、
当期の資産を正確に把握するのには発生主義のほうが合っているという事です。
また、国土交通省告示では、管理費及び修繕積立金を明確に区分して経理を行う、
となっているのですが、実際はごちゃ混ぜになっている管理組合も多く存在します。
先日私はマンションの売買仲介で、その管理組合の収支報告書を拝見しましたが、
大手の管理会社が作成したのにかかわらず、
「え~?これでもプロ?」と思えるような会計処理でした。
総会で管理会社に収支報告されても、
多くの区分所有者の皆さんは眠くなるというのが現状でしょう。
正しい会計処理がなされているマンションは意外に少ないように思います。
※さらに具体的な情報、ここには書けない体験談などをお届けします!
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